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[解説]n次の相加平均≧相乗平均のさまざまな証明

●4次の不等式の証明
2次と3次の不等式はこちらで示した。4次は3次の場合のように因数分解して示すわけにはいかないが、2次の関係を2回使うと、次のように容易に証明できます。4次の関係があれば3次の関係は容易に証明できます。以降、等号成立条件はすべて同じなので、記載を省きます。


●2のm乗次の不等式の従前の証明
2次→4次の考え方を利用して、2のm乗次の関係は容易に証明できます。一般的な証明は次のように数学的帰納法によることになります。この証明はフランス人数学者コーシーによるものといわれています。

●2のm乗次~2のm+1乗次の不等式の従前の証明
2のm乗<n<2のm+1乗の場合を証明します。


●n次の不等式の最新の証明
この証明方法は、2008年に倉敷古城池高校教諭の内田康晴さんが発見したもので、実にわかりやすい証明です。上の証明のように、2のm乗で区分けする必要もありません。

詳細は論文を参照してください。

●ヤングの不等式を使った証明
この方法では、ヤングの不等式による変形だけで証明できます。



●対数関数の微分を使った証明
対数関数の2階微分が上向きの凸関数であることと、イエンゼンの不等式を利用して証明するものです。同じ手法を[C]sinαsinβsinγの最大値を求める問題(1999年京大理系後期)の別解でも利用しています。



●指数関数を使った証明
1952年にPolyaという数学者が発見したといわれている、指数関数の(1,1)における接線を利用した手法であり、2007年に横浜市大で出題されました。