■平面幾何問題のツボ(数Ⅰ)
図形問題では、数Ⅱの方程式が使える問題の他に、純粋に幾何学的に解く問題も多く出題されています。幾何学的問題においては、次のいくつかの定理が多く使われます。最大の登場頻度を誇るのは「ピタゴラスの定理」(三平方の定理)でしょう。本稿では、初等幾何の問題と三平方の定理以外のいくつかの定理とその応用を紹介します。
●初等幾何の問題
[A]幾何の基礎の問題(京大2012年文4理5)
[B]三角形の中線の交点の内分比の証明(2010年佐賀大文系3)
[B]初等幾何の問題(2015年横浜市大/医2)
[B]等角証明の問題(2008年京大文系2)
[C]長方形を折り曲げてあふれた面積の問題(2017年東工大3)
[C]初等幾何の問題(2009年京大理系2)
●円の性質の問題
[B]接する円の問題(2017年慶應大/環境情報1)
[B]接する円の問題(2017年慶應大/総合政策2)
[B]円に外接する三角形の面積の問題(2017年慈恵医大2)
●メネラウスの定理とチェバの定理
これら3つの定理は、数Aで学ぶ幾何定理です。しかし筆者は中高大通じて一度も使ったことはなく、まったく見たこともない定理でした。数Bのベクトル方程式の問題ではメネラウスの定理も利用できます。しかし次の問題は、見事にこの定理を利用すれば簡単だが、利用しないと難問になる、という問題です。
両定理の証明をチェバ・メネラウスに示します。
[B]メネラウスの定理専用の問題(2006年和歌山大)
[B]メネラウスの定理専用の問題(2017年日本医科大4)
[C]メネラウスの定理専用の問題(2009年横浜市大/医3)
●方べきの定理
方べきの定理を利用すると、2つの長さの積や商の長さを作図することができます。作図問題が入試に出題された例は見たことがありませんので、例題として示しておきます。
[例題]方べきの定理を利用した作図
[入試問題]
[A]方べきの定理を利用する問題(2017年東海大/医116)
●鏡像・円対称の問題
直線および円に対する対称の幾何学の問題を集めました。
[B]鏡像の問題(2013年日大/医13)
[B]鏡像の問題(2011年一橋大2)
[B]円対称の問題(2010年横浜市大/医2)