■漸化式の解法
漸化式には、明らかな等差数列・等比数列と特殊な連立漸化式・数学的帰納法などのパターンを除くと、主要なパターンは次の10種にまとめられます。漸化式は国立大では単独ではなく確率などの融合問題として出題される場合が多く、その場合には「漸化式を作る」ところから始まります。したがってこの分野はかならず「得意分野」にしておかなければなりません。パターンは随時改善していきます。
これらのパターンは、次の方法のいずれかの組合せで解くことができます。このことを知っておけば慌てないでしょう。
- 等差数列や等比数列のパターンに帰着する
- 等差数列の一種である階差数列に帰着する
- 逆数の数列を求める
- 数列を置き換えて解く
- 2項間・3項間・分数数列の特性方程式を解く
上の10パターンの中には、出題頻度が低く若干難しいものもありますが、一度は全パターン解いておくべきです。試験場で初対面、という悲劇は避けましょう。それぞれのパターンを図解します。さらにその後に、4つの番外パターンを紹介します。
これらは10のパターンの簡単な応用であり、別の頁で解説します。
[11]数学的帰納法で解く漸化式
[12]部分和と一般項の混在型
[13]連立漸化式の問題
[14]確率漸化式の問題
●等差数列や等比数列の解説
[例題]
[1]階差数列
[例題]
[入試問題群]
[A]階差数列の問題(2003年札幌学院大)
[2]2項間特性方程式型
[例題]
[入試問題群]
[A]2項間特性方程式型漸化式の問題(2011年慶応大/看護医療23)
[B]2項間特性方程式型漸化式の部分和の評価の問題(2014年自治医科大15)
[3]多項式型
[例題]
[入試問題群]
[B]多項式型漸化式の問題(2008年関西大/商1)
[B]多項式型の問題(2014年大阪府大/環境4)
[D]三項間多項式型漸化式の難問(2016年横浜市大/医13)
[4]指数型
[例題]
[入試問題群]
[B]指数型漸化式の問題(2007年信州大/工11)
[5]対数型
[例題]
[入試問題群]
[B]対数型漸化式の問題(2011年静岡大理系1)
[B]対数型漸化式の問題(2017年阪大文系3)
[6]公比型
[例題]
[入試問題群]
[A]公比型の問題(2007年北里大/医11)
[7]割り算型
[例題]
[B]多項式割り算型新作問題1
[C]多項式割り算型新作問題2
[入試問題群]
[B]公比型漸化式の複合問題(2010年同志社大理系3)
[8]逆数型
[例題]
[入試問題群]
[A]逆数置き換え型の問題(2014年日大/医15)
[B]逆数置き換え型の問題(2004年福岡教育大2)
[B]逆数置き換え型の問題(2013年福岡教育大6)
[9]分数型
分数型漸化式は逆数型漸化式の一般化された形であり、特に面倒ですが、一般的には誘導が用意されます。初めて見たときや誘導がないときのためには、あらかじめ慣れておくべきでしょう。分数型漸化式の一般的な解法はこちらに紹介しておきます。
[例題]
[入試問題群]
● 分子に定数項がない場合
[B]分数漸化式の問題(2010年大阪府大/工11)
[B]分数漸化式の応用問題(2017年日本医科大1)
● 分数数列の特性方程式が解ける場合
[C]分数漸化式の問題(2008年東北大後期4)
[C]分数漸化式と極限値の問題(2015年東工大1)
[10]3項間特性方程式型
3項間漸化式型の一般的な解法は2次方程式の特性方程式を解いて解きます。この考え方は3項間漸化式の解法で解説しました。確率漸化式問題には、2項間・3項間の漸化式を自分で作って解く問題が多く、これらは単独または連立の確率漸化式を立てて解きます。このパターンは難関校で頻出します。
[入試問題群]
[B]部分和の3項間漸化式の問題(2017年日大/医24)
[B]3項間分数漸化式の問題(2017年昭和大/医131)
「3項間分数漸化式」に一般的な解法はありません。
ではどうやって解くか、ということです。
[C]第2項が欠けた隣接3項間漸化式の問題(2018年愛知医大推薦4)
[D]三項間多項式型漸化式の難問(2016年横浜市大/医13)